元少年の手記、日本図書館協会 制限事例にあたらず
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元少年の手記、日本図書館協会 制限事例にあたらず:朝日新聞デジタル
要約
神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件の加害男性の手記『絶歌』の購入や貸し出しを見合わせる図書館が出ていることについて、日本図書館協会は29日、本の扱いを制限すべき事例にはあたらないとの見解をホームページで示した。人権やプライバシーを侵害するものや、わいせつ出版物などは制限されることがあるが、本件は該当しないことを念のため申し添えますとしている。
疑問
この著作物に問題は本当にないのか。
考え
酒鬼薔薇事件は日本の犯罪史に残る衝撃的な事件であった。当時、少年だった加害者は少年院を出て社会復帰しているという。
近年、刑を科された者の手記を出版することが出版社業界で流行しているように思える。無論、法的には何の問題もないし、社会的に注目を浴びるため、出版したいと思う出版社も多い。
しかしながら、倫理的な観点から見ても同じことがいえるであろうか。特に被害者の遺族の視点でみると、はらわたが煮えくり返るような気持ちにもなるであろう。
刑法は法益のために存在するが、言論の自由を認められた社会で、本当に法益に被害を与えないのであろうか。精神的苦痛は法益ではないのであろうか。
今後も議論の渦を呼ぶであろう。
その他
過去には、はだしのゲンが日本図書館協会の制限事例としての問題となったこともあった。